2022年12月に施行された改正航空法により、ドローンのレベル4飛行が解禁され有人地帯でもドローンの自律飛行が可能になったことから、住宅地におけるドローン配達が期待されている。
物流分野でドローン配達が実現すると、 ドライバー不足の解消や交通渋滞の緩和に役立つ。 ドローン配達の実現を目指して、実証実験が行われている。
主に測量作業でドローンが活用されている。
人の立ち入りが困難な危険エリアや、通常の三角測量が難しい現場において、測量作業にドローンを使うと、日々の進捗管理が容易になる。また、立ち入りが困難な場所や設備点検にドローンが活用されている。
人手不足の解消や警備力の高度化を実現するために、防犯セキュリティ分野でもドローンを活用できる。
たとえば、広大な敷地の防犯セキュリティを高めるために、ローカル5G無線通信システムを用いて、ドローンによる遠隔巡回や監視を可能にするための実証実験が行われている。また、2025年に開催される関西万博(日本国際博覧会)に向けて、 ドローンを使った防犯機能と見守り機能の有効性を検証する実証実験が関西電力によって行われた。
農業・林業分野において、ドローン活用の期待は高い。実際、 農薬や肥料散布、播種、受粉、鳥獣被害対策などで、ドローンが以下のように利用されている。
農業や林業における作業の一部をドローンが担うことで、 現場で作業する人の負担が大幅に軽減されることから、ドローンを活用した取り組みが各地で進められている。
農業・林業分野における
ドローンの活用例
農業・林業分野におけるドローンの活用例
概要
農薬散布
ヘリコプターによる防除事業を補完するために、ドローン防除を活用
肥料散布
人が立ち入りにくい中山間地で、上空からの肥料散布にドローンを活用
播種
水稲の直播作業にドローンを活用
受粉
果物の受粉作業にドローンを活用し、花粉溶液を散布
鳥獣被害対策
シカやイノシシの生息地域や行動をドローンが空撮し、農作物への被害対策を実施
防災については、災害に備えた点検や、災害後の被害状況の調査にもドローンの活用が検討されている。
従来、災害現場では、これまでヘリコプターが調査や救助に使用されてきた。しかし、ヘリコプターは出発までに時間がかかる点が課題であった。これに対し、ドローンは、 素早く出発して災害現場に到着できるだけでなく、広範囲にわたる調査が可能となる。 迅速に被災マップや救済計画を作成できるとして、活躍が期待されている。